第19章 たまには女子だけで
‐木葉side‐
ここは、黒尾&月島の家。
なんでも、あの人が昼のうちに来て、実況中継の用意をしてったらしい。
パソコンの通話機能使って、音声をここに送ってきている。
それを聞く為に、呼び出されたんだが…。
「ぶっ!くくっ!確かにお前、髪ヤバそうだな?」
「木葉、これからハゲるのか!?」
「木兎さん、わざわざ声に出さないで下さい。ふ、ふふっ!」
「いっその事、禿げる前に坊主にしたら良いんじゃないですか?」
今の、りらの発言の所為で、全員の視線が、俺の頭部に向いている。
直接言われた事もあった訳だが、アイツに悪意はないし、単なる感想だって分かっているから許せてた。
だから、今の悪意だらけの周囲の言葉は腹が立つ。
いや、木兎に関しては悪意0なんだろうけどな。
言い返してぇのは山々なんだが、その間に向こうの話が進んじまっても困る。
一瞥するだけで済ませて、耳をパソコンの方に傾けた。
『つーか、質問の趣旨違うからね。イケメンと思うかじゃなくて、好みか、好みじゃないか、聞いてるの。』
『…そもそも、秋紀以外を好む事がない。』
『じゃ、めちゃくちゃ好きって事じゃない?』
『そうとも言う。』
聞こえてきた続きの会話は、嬉しい事で。
「俺の彼女が可愛すぎる…。」
人前だっつーのに、悶絶しそうになった。