第19章 たまには女子だけで
みつは、恥でも何でも無い事かのように、結婚を1回失敗した事を話して。
「姉ちゃんの1回目も、まだなのに、私ばっかりごめんねー?」
話を私の方に持ってくる。
私達は、今ではない、と決めている。
お互いに納得していると知っているのに、わざわざ嫌味のように言ってくるのは何故だ。
「私は…。」
きとりちゃんが本当に帰ってくるまで、結婚しない。
そう言おうとしたのだけど。
「…あ!姉ちゃん、アキノリくんの事、好きでは無い…とか?
断るのが苦手だし、周りが自分の為に、やってくれたから流されるしか無かった、みたいな。」
慌てて、それを止めるようにみつが言葉を被せてきた。
多分、私よりはみつの方が一般的な感覚を持っていて。
言わない方が良いと判断したから止めたのだろうし、今の言葉の方が否定してやりたいし。
「秋紀と、一緒に生活したいと思う。それくらい、好き。」
気持ちを切り替えて、はっきりと発言した。
「じゃ、どこが好きとか、言える?全部ってのは、ナシね。
あ、自分だけ言うのは不公平とか思ったでしょ?勿論、他の皆も彼氏の好きなトコ、言えるよね?」
ニヤけた顔のきとりちゃんは、完全に人で遊ぶモードだ。
自分には彼氏が居ないから、痛くも痒くもないんだろう。
きとりちゃんを楽しませる為だけに答えるのは嫌で、口を閉ざした。