第18章 only one
‐月島side‐
目が、迷うように動いている。
瞼が下りて、それが一旦隠された。
再度開いた眼は、真っ直ぐに僕を見ていて。
ずっと欲しかった、自分だけを見詰める瞳。
決意を表している、強い視線。
「もう、1年とか、期限はつけない。いつかは、好きの中で、1番にしてくれる?」
この人は、どうしてもそれに拘りたいらしい。
そんなの、とっくになってるのにね。
僕、好きの基準でりらが1番だとか、言ってないから。
「それ、僕の1番になるまで傍に居るって言ってる?」
伝えてやれば、りんさんが喜ぶって分かっているのに、そんな事は言えない。
だから、今のが返事かだけを確認する。
「うん。そのつもりで言ったよ。」
頷く瞬間、視線が外れて。
また、僕の眼を捕えるように見てきた。
これが、自分だけのものだと思うと嬉しくて。
「そう。じゃあ、これからもヨロシク。」
ずっと、一生、傍に居るから。
そんな気持ちを込めて、腕の中に引き寄せる。
大人しく胸元に収まってくれていれば良かったのに、わざわざ顔を上げて、変わらない真っ直ぐな眼を向けてきたものだから…。
「こちらこそ、よろし…く?」
返された言葉の最後まで聞かずに、唇を塞いだ。