第18章 only one
‐月島side‐
言葉で伝えてやれないなら、伝えても誤解されるなら、行動で。
これでも、かなり勇気を出したつもりだったんだけど。
「今の、キス、だよね?」
それ、わざわざ確認します?な、事を聞かれた。
「逆にキス以外のなんだと思うの。」
「水の口移し?」
「それはキスじゃないの?」
「あー、うん。それもキスに含まれるね。」
やっと理解してくれたと思ったのに、信じられないとでも言いたそうな顔をしてる。
この人、基本的に、僕を疑ってるんだ。
まぁ、仕方無いよね。
今までの言動が、そうだった訳だから。
でもね、少しずつでも、貴女の為に変わろうとしてるの、分かってくれないかな?
りんさんが、目を合わせてくれなくなったのが、嫌だった。
僕を見る瞳が、離れていくのが嫌だった。
怪我をしたんじゃないかって、気付いた瞬間は、離れるどころか、無くしてしまうんじゃないかって。
本当に、怖かったんだ。
それで、分かったんだよ。
僕は、手に入らないりらに恋をして、辛い思いして。
バレーの時みたいに、真剣になった分だけ辛くなるって思い込んで、深く入り込まないようにしていたのに。
すでに手遅れ。
いつの間にか、手放したくないくらい、りんさんにハマりきっていたんだ、って、ね。