第18章 only one
みつと赤葦さんの話は、早々に纏まり。
結納も、両家の顔合わせという食事会も滞りなく終わった。
ここまで来たら、次にあるのは、周りの人への報告で。
いつもの面々との飲み会が開催される事になる。
場所は、私の住む家だ。
どうして、この家なのか理由を聞くと…。
おめでたい事だから、木兎さんが騒ぐのが予想出来て。
勝手にはしゃいで、潰れてしまうだろう光景が目に浮かぶからだそうだ。
他の居酒屋とかでやったら、周りのお客さんに迷惑だろうし、何よりかおるさんが大変な被害を被る事になる。
確かに、その事態は私にも簡単に想像がついた。
その点、この家なら、多少騒がしくしても大丈夫だろうし、潰れてしまったら寝床も提供出来る。
それに納得出来たから了承した。
まぁ、この家を使うって事は、準備諸々は私がやる事になるのだけど。
料理を人に振る舞うのが元々好きではあるし、苦ではない。
皆が泊まるなら、部屋の掃除とかもしなきゃならないけど、どうせやるなら気持ちよくやってやる。
やたらと張り切りたくなるのは、これをきっかけに他の人達の関係も進めば良い、と思っていたりするのもある。
告白と同時にプロポーズして、やり直し要求をされている木兎さん。
1年しか待てない、と条件付きで付き合っている月島くん。
どちらかだけでも、変化があって欲しかった。