第4章 お泊まり
お風呂を借りて入り、部屋に戻る。
「俺も入ってくるな?先、寝ててもいいぞ。」
入れ替わりで出ていく木葉さんを見送ってから、床に座った。
勝手にベッドに上がるのは悪いから。
少しの間、暇な時間。
あの家だったら、暇があれば掃除だの色々出来たけど、一応は人の家な訳で。
勝手は出来ない。
暇潰しに、スマホをいじっていた。
不意に、思い出したように、服のプレゼントに本当に意味があるのか検索してみる。
出てきたのは…。
【その服、脱がせたい】
今更である。
昨日、見ている筈だ。
見られるのを嫌と思わない上に、恥ずかしいと思う気持ちがない。
なんなら、裸で待っていても構わないレベルだ。
逆に、そういうのを恥ずかしがったり、照れたりする人が相手だからしないけど。
そうこうしている内に、戻ってきた木葉さん。
少し濡れて、顔に張り付いている髪。
少し赤くなっている頬。
凄く、色っぽい。
水も滴る良い男、と言うべきか、湯上がり美人、と言うべきか。
見惚れてしまって、動けない私の傍まで来る。
同じ物を使った筈なのに、シャンプーだか、石鹸だかの、良い匂いがした。
「寝よっか。」
私の隣じゃなく、ベッドに腰掛けて手を広げている。
甘い夜を期待して、腕の中に収まった。