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【HQ】繋がる縁の円

第17章 彼氏トレード


‐みつside‐

アキノリくんが、姉ちゃんの為に仕事を選んだのは分かりやすいんだけど。
その姉ちゃんが、調理師を目指したのも、アキノリくんが絡んでいる。

2人は、お互いの人生に影響を与え合っているんだ。
10年も前から。

姉ちゃんに彼氏が出来たって知って、その名前がコノハアキノリって聞いた瞬間に、運命ってものはあるんだと、確信した。

そして、その人に教えてやりたいと、ずっと思っていた。

貴方が、姉ちゃんを救ったんだって。

でも、それをそのまま伝えてやるのは、ひねくれものの私がやる事じゃない。

「姉ちゃん、節約の為に毎日お弁当持たせてくれてたんだよね。勿論、本人も持っていくようにしてたし。」

だから、ヒントを置いて本人に気付いて貰おうとした。

アキノリくんは、バカじゃない。
どちらかと言うと、鋭い方だろうと思っている。

ここで、話を区切って様子を見ると、何かを思い出すように視線を忙しく動かして。
それが、止まったかと思うと、少しだけ顔を赤くした。

反応が完全に乙女である。

「アキノリくんが、姉ちゃんの料理を初めて褒めた人なんだよねー。それがきっかけで調理師目指すなんて、単純な姉ちゃんらしいけど。」

少し、からかってやろうと、答えを告げる。
顔を隠すように片手で口元を覆って、その場にしゃがみこんでしまった。
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