第17章 彼氏トレード
月島くんとりんさんが、予想外に早い段階で落ち着いて。
黒尾さん以外の元同居人の方には、それぞれパートナーが出来た。
私達の輪は、どんどん広がって、大所帯になりつつある。
そんな中での、交流を求めるのは、我が妹のみつで。
何でも、普段は赤葦さん宅に軟禁状態だから、私達を理由に外に出たいらしいのだ。
あの赤葦さんの事だから、外に出したところで、行動の全てを把握する事に精を出すのだろうけど。
それすらも、防ぐかのように、妙な提案をしてきた。
「1日だけ、彼氏交換しない?」
「嫌。」
勿論、即答で断った。
まぁ、私が断らなくても、赤葦さんが秋紀にみつを渡す訳はない。
そう思っていたのに…。
「交換なら、その日1日は、りらが俺の彼女になるって事だよね?」
こんな理由で、あっさりとオーケーが出てしまった。
秋紀も、1日くらい付き合うか、なんて軽い感じで考えているし。
私だけが嫌がり続けたら、こっちがワガママな人間になってしまう。
丸1日、特に夜は赤葦さんの彼女として過ごすのは危険だ。
半日に時間を短縮する条件で、了解をする事にした。