• テキストサイズ

【HQ】繋がる縁の円

第16章 複雑に絡む


‐黒尾side‐

木兎から先に連絡が来てたから、彼女が居た事に驚きはなかった。
月島と彼女が知り合いらしい喋り方をするのは気になっても、元カノの現在に、深く突っ込む気はない。

だが…。

「会社の同僚が、プライベートに入り込んで、気分が良い人間って居ます?それで、ヤキモチとか。自意識過剰ですね。」
「居なくはないんじゃないかしら?普通に同僚と飲みとか行ってる人も、存在する訳だし。」
「じゃあ、僕が異常なんですね。僕は公私を分けたいんで、同僚とプライベートでお付き合いしたいと思えマセン。」
「私もそうだけど、このお店気に入ったし。勝手に同席したんじゃなくて、光ちゃんが誘ってくれたから居るだけなんだけど?」

聞かずとも、2人の会話で大体の事は理解出来た。

たまに月島が、休み時間にやたら絡んでくる面倒な先輩が居るって話してたが…。
この反応は、確実にそれがりんサンだな。

このまま、やり合わせ続けたら、どっちか帰っちまいそうだ。
その展開は避けねぇと、りらがガチでキレる。

知り合い枠の俺等が、店で問題起こすと厳しいからな、アイツ。
ニコニコ笑って、怒ってますオーラ出してくるに決まってんだよ。

「…お話し中すみませんが。黒尾さん、月島くん。お飲物伺って宜しいでしょうか?」

いや、もうすでに怒ってたわ。

人の会話に割り込むなんて、りらは普段ならしない。
その上、注文を書き取る為のペンを持つ手が震えてやがる。

こうなると、コイツがやる事は想像がつく。

「…僕、取り合えずビールで。」
「俺も。」

月島も、それには気付いたようで。
地味に嫌がらせが出来るサワー系の注文を避けていた。
/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp