第4章 お泊まり
‐木葉side‐
言って、後悔。
だって、今の、どう取ってもプロポーズ。
重い男、確定。
そりゃ、27だぞ。
アラサーって言われる歳だぞ?
次に付き合う相手は、将来考えられるコって考えはあった。
だからって、付き合った翌日に、これはねぇ。
マジでナシなやつ。
熊野も引いてんだろーな。
顔、見んの怖い。
そんな事を思ってると、こっちを向いた。
近すぎて焦点が合わず、表情が分からないのは救いだ。
きっと、凄ェ嫌な顔をしてるに違いない。
「…木葉さん。ここに、たまに帰ってきて、いいですか。」
…ん?
今、コイツ、何つった?
「血の繋がりは無くても、家族みたいな存在になれる事、私は知ってます。だから、木葉さんとも、そうなりたいです。」
あ、そうだった。
コイツは、一から十まで説明しねぇとダメなやつ。
…つーか、裏の意味を本人に考えさしたら、マイナス思考の方にしかいかないやつ。
だから、言葉の表面だけ受け止めて、木兎達と同じ意味での、家族みてぇな絆を築きたい方で取ってやがる。
現時点で、深読みしないでくれたのは非常に有難い。
有難い、が…。
もし、本番の時も、この調子で。
純度100%の、天然発言されたら…。
折れる、自信しかねぇ。
まだ先の未来の事を考えて、すでに気持ちが落ち込んで行くのが分かった。