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【HQ】繋がる縁の円

第15章 お弁当


‐りんside‐

りらは、やっぱりちょっと苦手だけど。
このみつの方は、一応は一般的な感覚の持ち主みたいだ。
イイ歳して、カウンターの下で彼氏と手を繋いだりしてる、恥じらいの無いところ以外は。

そんなにイチャイチャしたいなら、家でやってくれ。
外食しなきゃならない理由でもあるのか、この人達は。

それは、いとも簡単に判明した。

「…みつ、いい加減、これ受け取って。少しは作る努力して。」
「やだよ。だって、姉ちゃんのレシピって基本が出来る事前提なんだもん。」
「包丁とか、コンロくらい使えるでしょ。」
「ただ切るだけなら出来るし、ただ炒めたり煮たりは出来る。」
「なら、なんで。」
「姉ちゃんのは、職人仕様なの。隠し包丁とか、面取りとか、何ソレだよ?そのクセ、どれくらい炒めるとか煮るとか書いてないし。」
「隠し包丁も、面取りも省いていい。食材の状態で火加減も時間も変わるから書けない。」

手が空いたらしいりらが、みつに説教らしきものを始めている。
その手には、何枚かの紙を持って。

そのレベルの料理初心者用のレシピなら、私でも作れるかも知れない。
りらは苦手だけど、りらのお弁当は悔しいくらい美味しかった。
私の胃袋は完全に掴まれている。

「ねぇ、みつが受け取らないなら、私にそのレシピくれない?」

全く同じ味には作れないかもだけど、自分で出来るならやってみたいもので。
紙を渡して貰おうと手を出した。
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