• テキストサイズ

【HQ】繋がる縁の円

第15章 お弁当


‐月島side‐

りらが、彼女を構ってくれそうだったから、帰ろうと思っていたのに。
逃げ遅れたと思っても、時すでに遅し。
みつの言葉によって、皆の視線が向いてるんじゃ、逃げようがない。

「今は、違うでしょ。」
「…今も、だよ。この前のバーベキューの時の雰囲気見てたら、分かるもの。」

だけど、会話に加わってやる気もないから、巻き込むなとばかりに否定を返す。
それでも、諦めてはくれずに言葉を繋がれた。

「ねぇ、この場の皆ってどんな知り合いなの?異物とか、意味が分からないんだけど。」

話に割って入るのは、さっきまで泣いていた人で。
ちょっと異常な僕達の関係が気になり始めたのか、興味津々といった感じでこちらを見てくる。

「僕も分かりマセン。」
「違うって否定したのは、分かってたからじゃないの?」
「分からないのに、仲間意識持たれたら迷惑なんで否定しただけです。」
「でも、お友達でしょう?」
「…友達の表現も合わない人達ですが。」
「あのお姉さんの方、友人って自分で言わなかったっけ?」

絡まれたくないから、冷たくしか返してないつもりなのに、次々に疑問を飛ばされる。
仕方無く答えていたら、本人の前で言われたくない言葉を吐かれてしまった。

しかも小声で、人妻寄りの、なんて、わざわざ付け足される。

「月島くん、友人というよりは家族です。数年前まで、一緒に暮らしてました。」

一番聞かれたくなかった部分は、聞こえなかったみたいで安心したけど。
今度は、りらの口から爆弾発言が飛び出していた。
/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp