第15章 お弁当
‐月島side‐
りらが、彼女を構ってくれそうだったから、帰ろうと思っていたのに。
逃げ遅れたと思っても、時すでに遅し。
みつの言葉によって、皆の視線が向いてるんじゃ、逃げようがない。
「今は、違うでしょ。」
「…今も、だよ。この前のバーベキューの時の雰囲気見てたら、分かるもの。」
だけど、会話に加わってやる気もないから、巻き込むなとばかりに否定を返す。
それでも、諦めてはくれずに言葉を繋がれた。
「ねぇ、この場の皆ってどんな知り合いなの?異物とか、意味が分からないんだけど。」
話に割って入るのは、さっきまで泣いていた人で。
ちょっと異常な僕達の関係が気になり始めたのか、興味津々といった感じでこちらを見てくる。
「僕も分かりマセン。」
「違うって否定したのは、分かってたからじゃないの?」
「分からないのに、仲間意識持たれたら迷惑なんで否定しただけです。」
「でも、お友達でしょう?」
「…友達の表現も合わない人達ですが。」
「あのお姉さんの方、友人って自分で言わなかったっけ?」
絡まれたくないから、冷たくしか返してないつもりなのに、次々に疑問を飛ばされる。
仕方無く答えていたら、本人の前で言われたくない言葉を吐かれてしまった。
しかも小声で、人妻寄りの、なんて、わざわざ付け足される。
「月島くん、友人というよりは家族です。数年前まで、一緒に暮らしてました。」
一番聞かれたくなかった部分は、聞こえなかったみたいで安心したけど。
今度は、りらの口から爆弾発言が飛び出していた。