第4章 お泊まり
ご飯兼飲み会は、近くの居酒屋に入って始まる。
かおるさんは木兎さんと赤葦さんの間で、私はその対面側に木葉さんと並んで座った。
「…なぁなぁ、お前等って初めて会った時はどーだったんだ?第一インショーってやつから、惚れてた?」
「あ、それ私も気になる。」
乾杯をしてから、会話の口火をきったのは木兎さんだ。
そして、それに乗っかるかおるさん。
結局、それか。
アンタ等、2人で話でもしてくれないか。
やっぱり、ついて来なきゃ良かったと思った。
「俺は、初めて見た時から綺麗なコだとは思ってたが…熊野は?」
答える気は無かったけど、木葉さんが話を続けてしまって。
都合の悪い事に、私に話を回してきた。
「…変な人。」
私が木葉さんに抱いていた、初めの印象を思い出す。
こっちは何も言わないのに、グイグイと話しかけてきて、勝手に近くに居座ろうとする人。
正直、私なんかと居てもつまらないだろうに、そんな事をするなんて変人としか思ってなかった。
それをそのまま言葉にしただけだ。
なのに、何故かウケてしまったようで、木兎さんとかおるさんは笑っている。
赤葦さんも、口元を押さえて震えてるから笑いを我慢していると分かった。