第3章 その夜、お店にて
私が行かなきゃいけない事情でもあるんだろうか。
単に、木葉さんとの馴れ初めだとか質問攻めされるだけなら、正直面倒だ。
「木葉さん、待たせてるので。」
「木葉も誘ってるの!だから、来て!」
もう一度、断ろうとしたけど先手を打たれていた。
何で、ここまで必死なんだろうか。
「どうして、ですか。」
「木兎に告白したって話、したじゃん?私の事、知ってくれって話になってるじゃん?」
疑問を言葉にすると、早口で捲し立てられる。
今の、ご飯に行く話とは関係がない気がしたけど。
「それで、木兎が一緒に飲み行こうぜ、って!2人きりは無理だから、助け求めたら赤葦も来てくれる事になったけど、男2人に囲まれるのキツい!」
関係は、あったようだ。
私達の事では、一応協力してくれていたようだし。
この人にも幸せになって欲しいのだって本心だし。
木葉さんも行くなら、行かなきゃならないし。
どう考えても、混沌とする予感しかしないけど。
諦める為に色々な言い訳を思い浮かべて、了承を示すように頷いた。