第14章 夏を1日で楽しむプラン
‐木兎side‐
赤葦達が居なくなって、かおるちゃんと2人きり。
嬉しいっちゃ嬉しいんだけど、なんかな。
皆で来てんだから、皆でワイワイやった方が楽しくね?
「なんでアイツ等、皆で遊ぼーぜってやってんのに分かってくんねーんだよ。」
思った事が、そのまんま言葉になる。
「光太郎、赤葦とみつちゃんって付き合いたてホヤホヤなのよ?本当は2人っきりで、夏デート楽しみたいに決まってるじゃない。」
かおるちゃんに言われて、皆で楽しみたかった気持ちが砕かれた。
俺のワガママっての、分かっちゃいる。
だけど、今まではサイシューテキには付き合ってくれたじゃんか。
ちょっとずつ、気分が落ちて楽しむ気も失せ…。
「私も光太郎との夏デート、楽しみたいな。ほら、普段は夜ばっか会うから、昼間のデートは初だよ?」
なかった。
やっぱ、かおるちゃんってばサイコーのオンナだな。
「よしっ!じゃ、スライダーから行くか!プールのアトラクション、全制覇しよーぜ?」
手を繋いで、遠くに見える滑り台の方に引っ張っていく。
「えっ!ちょっ!全制覇とか無理だから!並んだりするし、そんな時間ないよ!」
かおるちゃんが、なんか言ってるけど無視してもダイジョーブだって分かってる。
俺のコト、一番リカイしてくれてるから、許してくれるし、楽しませてやる自信もある。
そんな訳で、片っ端からスライダーだの浮き輪で川下りだの、遊びまくってたら…。
「…木兎さん。昼飯で集合って話しましたよね?」
鬼より怖い赤葦に捕まって、キョーセーレンコーされた。