第14章 夏を1日で楽しむプラン
その後も、月島くんは今の自分の状況に至っている理由を説明してくれた。
何でも、こっちに戻ると決まった段階で、部屋が見付かるまで私の住んでいる家に居候を考えたようだけど。
それを、家主であるきとりちゃんに相談したら、私に彼氏が出来たから駄目だと一蹴されて。
仕方無く、こっちで暮らす物件を何件か探してくれと依頼した相手が黒尾さん。
先日、墓参りの場に居たのは、実は黒尾さんから物件の資料を受け取ったり、同居の提案があったりしたかららしい。
意地の悪い彼が、嘘を吐いたり誤魔化したりしないのは、逆に気味が悪かったけど。
矛盾している点は無いから、全面的に信用する事にした。
月島くんの話が終わった頃、目的であるスーパーに辿り着く。
木兎さんが大量に食べるのは予想出来たから、余りそうなくらいの食材を買い込むと、少食の彼からしたら信じられなかったようで、嫌そうな顔をしていた。
それでも、クーラーボックスに物を入れるのは手伝ってくれたりするんだから、優しさが不器用である。
「手伝ってくれて、有難う。」
「…下手にその辺に食べ物置かれて、臭ったら嫌だから。別に、手伝ってる訳じゃないよ。」
しかも、お礼を言ったら、これだ。
口は相変わらず嫌味っぽいし、一々人をバカにしたような顔をするから、イラッともするけど。
これが、月島くんって人だと分かっているから、変わっていないようで安心しながら、遊園地ではなくバーベキュー場に戻った。