第14章 夏を1日で楽しむプラン
‐黒尾side‐
りらは、相変わらず会話が苦手だ。
話をしやすいように、気ィ遣って質問ばっか投げてみても、回答は一言のみ。
そこから、話を広げたりすんのなんざ、コイツには、まだ難しかったか。
好きなもの関連なら、話してくれんだろう。
そんな期待から、投げた質問は木葉の事ばっかで。
人の恋愛に首突っ込みたい男のようになってきてた。
だから、赤葦達が戻ってきたのが有り難く。
りらとの会話は終わらせた。
ちょっと、気になんのは…。
みつが、一言も言葉を発さない事だな。
赤葦が構いにいかねぇトコみると、ケンカでもしたか、コイツ等は。
「なぁ、赤葦。ちょい、頼みあんだけど。」
「何ですか?」
「りらと、買い物行ってくんね?」
「…は?何のですか?」
「ココの隣のバーベキュー場って場所と機材の貸し出しあるけど、食材は持ち込みだぜ?木兎、そこまで頭回ってねぇだろ。」
多分、みつは赤葦の前で愚痴ったりはしねぇだろうから、理由を付けて別行動させようとする。
「…分かりました。りら、行こうか。」
「…はい。」
「あ、クーラーボックスの貸し出しもやってっから、バーベキュー場寄ってけよ?」
赤葦が、あっさりりらを連れて出ていってくれた。
あの執着心が強い赤葦が、みつを簡単に置いてくのは、何かあったの確定だな、こりゃ。
りらも、去り際にみつをチラっと見たから、アイツでも感付いているくらいの事だ。
それだけ、今のみつは様子がおかしかった。