第14章 夏を1日で楽しむプラン
‐みつside‐
姉ちゃん達に荷物と席は任せたから安心して、私達、プール組はぼっくんの希望によって飛び込み台に来ている。
「高ぇな!超ワクワクすんだけど!早く行こうぜ!」
ぼっくんは普段より倍くらいテンションが上がっているようで、私達全員を道連れにしようとしたけど。
「光太郎、一緒に上に行ったら、貴方の格好良いトコ見れないから残念だな。私、自分が飛ぶより彼氏のイイトコ見たいんだよね。
ね、みつちゃんもそう思うでしょ?赤葦の格好良いトコ見てる方が良いよね?」
「そうだね。私も、下で見てたいな。」
今や、ぼっくん使いと言っても過言ではない、彼女が止めてくれた。
この言い方だと、京治は巻き込まれるのだけど、自分が怖い思いをするよりはマシだ。
「そーか、そーか!かおるちゃん、俺のコト大好きなんだな!よしっ!じゃあ赤葦、行くぞ!」
「いえ、俺も下で木兎さんの勇姿を…。」
「みつちゃんは、俺よかお前のユーシ?見てぇんだよ!」
京治も、1人で行かせようとしたみたいだけど、失敗して連れ去られる。
2人が去ると、飛び込み用のプールサイドに移動して腰を下ろした。
飛び込み台の階段を登っていく2人を眺めていると、京治がこっちに気付いたのか小さく手を振る。
「…赤葦、ホンットみつちゃんの事が大好きなのね。光太郎なんか早く飛び込みやりたくて、こっち見すらしないわ。」
「私より、姉ちゃん大好きなんだけどね。」
隣から、恥ずかしくなるような台詞が聞こえて、つい返したのは照れ隠しの言葉。
「じゃあ、みつちゃんの事は愛してるんじゃない?」
可愛くない事を言ったのに、かおるさんは笑ってて。
ますます恥ずかしくなるような事を言われてしまって、何も返せなくなった。