第14章 夏を1日で楽しむプラン
定番のかき氷や、焼きそば、ラーメン。
他にも、カレーだったり、屋台に売られてそうなトウモロコシだったり、いか焼きだったり。
どれもが、食欲をそそる良い匂いをしているけど。
朝ごはんは食べてきたし、そんなに入る気はしない。
食べずに休憩だけするのは悪い気がしたけど、ドリンクだけにしておいた。
黒尾さんの方は、本当に夜勤明けで直接合流だったようで、朝飯とか言って、普通の食事をしている。
殆ど寝ていないのだろうし、食べ終わったら少し休んで貰おう。
そう思って、食事が終了すると会話をする意志が無いと示すように顔を逸らした。
目立たないように端の席を取って居たから、私が向いた方向には簾が掛かっていて。
こんな所も海の家風なんだな、と思っていたけど。
なんだか、様子が変だ。
簾の向こうからは、人の声と水の音が聞こえてきている。
しかも、若干だけど塩素のような消毒液の匂いもする。
何となく、嫌な予感がしてきて、地図を広げた。
この、海の家風レストランの真横には、プールがある。
ここの、見た目とかを考えるとプール側と繋がっているんじゃないだろうか。
だとすると、さっきした嫌な予感って。
そこまで考えた時、簾が捲られて外からの光が入ってくる。
「あ!りらちゃんじゃん!なんだ?やっぱプール入りたかったのか!」
眩しくて、細めた視界に入るのは特徴的な銀の髪。
話し掛けてくる声は、それを持っている知り合いのもので。
嫌な予感は、やっぱり当たってしまった。