第14章 夏を1日で楽しむプラン
遊園地に着いて、真っ直ぐ向かうのはプールの受付。
人数を聞かれて、木兎さんは当たり前のように、男3の女3を答えていたけど。
「ちょい待て。男2の女2だ。俺とりらは、遊園地のアトラクション行ってるわ。」
黒尾さんが、止めていた。
「なんでだよ?いーじゃねーか!皆で入りたいだろ?」
それに、すぐ納得する訳のない木兎さんは言い返す。
「俺、夜勤明け。プールなんか入ったら死ぬっての。」
「じゃ、待ってりゃいーじゃん。」
黒尾さんも、負けじと理由を話して、視線を何故か赤葦さんに向けた。
「…木兎さん、この炎天下の中で水に入らず待てなんて無理です。黒尾さんとりらには別行動して貰いましょう。」
「それじゃ、一緒に来た意味ねーじゃん!」
「昼飯で合流しますよ、ね?」
「…仕方ねーなー。」
何か理解したかのように頷いた赤葦さんの援護が入り、ようやく諦めた木兎さん達は4人でプールの方に入っていく。
それを見送ってから、何で別行動を言い出したか問うように黒尾さんを眺めた。
「…お前、左腕に傷残ってんだろ?」
確かに、昔した大怪我は今でも体に痕を残していて。
それを、人様に見せたいなんて趣味はない。
私の為に、別行動を言い出してくれたのが分かって、嬉しくなっていたけど。
「それに、折角のりらを独り占めするチャンス、俺が逃すと思うか?」
「そこは、逃して下さい。」
ふざけた事を言われて、あっという間に、その気持ちは消え失せた。