第14章 夏を1日で楽しむプラン
「無理。パス。」
秋紀は、私達に合流した直後に、木兎さんからマシンガンのように話されて。
考える間すら無く、一刀両断した。
「えー?なんでだよー?」
「うち、年中無休の居酒屋なの。土日は、アルバイト少ねぇから社員が休み取るの難しいんだよ。
逆に、お前平日に休み取れんの?」
「練習あっから、無理だな。」
「俺に、土日休み取れっつーのはソレと似たようなモンだぞ。」
駄々を捏ねる木兎さんに、至極真っ当な理由を述べている。
秋紀が無理なら、私も行かなくて済むだろうと思ったけど、そんなに人生は甘くなかった。
「じゃ、りらちゃん貸せよ。」
「イヤに決まってんだろ。りらは物じゃねぇんだから。」
「じゃ、りらちゃんが来たいなら連れてっても良いよね?」
「そりゃ、りらが行きたいっつーなら、駄目とは言わねぇよ。」
木兎さんより、寧ろかおるさんが私の同行を諦めてくれず。
「りらちゃん、来てくれるよね?」
秋紀は許可してしまっているし、懇願するような眼で見られたら断れなくて頷く。
「あ、どうせなら赤葦達も誘おうぜ?人数は多い方が楽しいからな!」
開催が決定して上機嫌な木兎さんはスマホを触り、巻き込む人間を増やした。
そして、この日の飲み会の内に、プール付きの遊園地でバーベキュー広場がある場所を見付けて。
赤葦さんからの返信も無いのに見付けた途端に予約している。
行動力がある、お祭り男の恐ろしさを痛感した。