第13章 お食事会
コンビニには赤葦さんとみつが行って、私と秋紀は片付けをする。
赤葦さん達が戻って、食料を渡されるなり、お礼も言わず部屋に戻った弟には、皆して呆れ返った。
食事会は完全に終了して、客間に残っているのは父と私とみつ。
そして、秋紀と赤葦さん。
真面目な話をされると思って身構えていたけど、それは無く…。
「…木葉くん、君はゲームの類いはやるかい?」
「ゲームですか?スマホのアプリとかなら、少しは…。」
「木葉さん、違います。熊野さんが聞いてるのは、テーブルゲームですよ。」
「テーブルゲーム?人生ゲームとかの、双六みたいな?」
「まぁ、それも含まれますね。」
今から、何やらゲームをする方向で会話が始まっている。
どうせ、父がすぐに帰らせてくれる訳もないから、従う意味を示す為に、それが仕舞われているケースを取ってきた。
私が不在の間に、テーブルゲームが父の趣味だと聞いたらしい秋紀は、興味津々な様子でケースを覗く。
「…色んな種類のもんがあるのな。簡単なのって、どれ?」
「初心者でも分かりやすいのは、これ…かな。数字当てるやつ。」
父に付き合おうとしてくれている事が嬉しくて、難しいルール説明のいらないゲームを取り出した。
「お父さん、これで良い?」
「勿論だ。」
箱を見せて、許可を求めるとすぐに返った頷き。
テーブルの上にセットしながらでも説明は済んで、始まるゲーム。
「…りら、お前は周りの数字を見てないのか?」
「見てる。」
「姉ちゃん、見てるなら、自分のトコには無いの分かるよね?」
「伏せカードが読めないから、分からない。」
数分後には、経験者なのに平凡なミスを繰り返した私が父と妹に責められ。
「りら、数字が苦手なのにも限度があると思うよ。」
赤葦さんには、呆れられ。
「まぁ、りらは数学どころか、算数が出来ないから仕方ねぇよ、な?」
秋紀からは、慰めにならない言葉を吐かれて。
多分に落ち込む結果と共に、今日一日が終わりを告げた。