第13章 お食事会
実家に行った日以来、秋紀との時間が減った。
向こうに泊まりに行ったり、逆に私の住む家に泊まりに来たりは、相変わらずするんだけど。
夜勤でも無いのに家に居なかったりするし、こちらに来る時も時間が遅い。
しかも、毎日のように酔っ払っているから心配だ。
父親と会わせ、あんな緊張した空気を味わわせる。
私が来てくれと頼んだ訳じゃないけど、断るべきだった。
だって、やっぱり、あれは重い女の行動で。
別れないって啖呵を切ったからには、すぐに離れる事は出来ないから、少しずつ距離を置こうとしているんだろうと予想が出来る。
そこに考えが辿り着いた時、自分から別れを切り出そうと思いはした。
でも、少しでも長く一緒に居たい我儘な気持ちがあって、何も言えない。
そんな悶々とした日々を送っている中で、父から1通のメールが届いた。
内容は、みつが彼氏を紹介する為に実家に来るから私も来い、と。
みつの彼氏は、赤葦さんの筈で。
私の方がみつよりも長い時間を過ごしているから、よく知っていて。
今更紹介されても、な感じで。
自分が秋紀と上手くいってないのもあって、仲の良い2人を見る自信も無くて。
断ったのに、その当日には父が迎えに来てしまった。
決めた事は曲げない、頑固で強引な父が私の拒否など聞く筈も無く、強制的に実家へと連行された。