第12章 遭遇しちゃ駄目なやつ

その後は、木兎さんが父からの質問攻めにあって。

その、木葉という人物が私の交際相手である事だとか。
半同棲状態で、私があちらの家に入り浸っている事だとか。

ペラペラと、余計な事まで話してくれた。

バカ正直な木兎さんは、誤魔化す事を知らないだろうし。
言わない方が良い事とか、判別出来ないだろう。

私も、同じくバカ正直な部分はあるけど、流石にちょっとは考える。

まぁ木兎さんだから、で済ませられないくらい酷い。
特に、半同棲なんて話すのは、駄目なやつ。

私は一度、家出同然で実家を出たから、いつ姿を消すか分からないと思われているようで、信用が全くない。
今は親戚の家に住んでいるから、安心していた所もあるだろう。

親に挨拶させるとか重たい女になりたくなくて。
更に、今は結婚とかの未来を考えていない問題もあって。
会わせ無かった私が悪い。

でも、そんなのは父からしたら関係が無く。

挨拶もせずに、結婚前の娘を家に連れ込んでいる男という、事前情報が入っただけだろう。

最悪のイメージがついてしまった。
これでは、更に本日会わせる訳にはいかない。
だけど、父は私の彼氏がこの場に来ると知って、待つつもりのようだった。