第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
残ってた単語は、私に当てはまるものなんかないと思っていた。
だけど、ケージくんはこの中に3枚あるってヒントを出してて。
絶対に違うものを省いたら、私じゃなくて女性を連想するような2つが残って。
それから繋がるのは、教会しか無くて。
この3つが、ヒント私で取れるなら、これはもうプロポーズみたいなものじゃないの?
私、嫌われてる筈なのに何で?
真意を探ろうにもケージくんは、口元を笑みに歪ませているだけで読ませてくれない。
それなら、この3つを指差してみようか。
教会。
1つ目を指差すと、すぐに正解を示すタイルが置かれる。
ドレス。
2つ目も、同じくタイルが。
指輪。
3つ目。
その上に置かれたのは、タイルじゃなくて、小さな箱で。
でも、開けられたその中身は、指輪じゃなかった。
「いや、ここは指輪でしょ。何故ピアス…。」
単語と、中身の違いに思わず突っ込みが漏れた。
それも構わず、私の手に乗せられる箱。
「指輪だったら、返事はどうした?」
「…ゴメンナサイ、かな。私、バツイチだし。ケージくんの年齢だったら初婚の女の方が良いでしょ。」
「そう言われるの、分かってたから、ピアス。俺はバツの有無より、みつが良い。」
ケージくんの眼が、私をしっかり見ている。
気持ちを伝える言葉はないけど、告白だと分かった。
「…私、嬉しいの。でもさ、それを伝える前に、可愛くない事、今も言ったじゃん?素直じゃないよ?ヒネくれてるよ?
その上、ワガママだし。家事とか苦手だし。姉ちゃんに敵対心持ってるし…。」
何で、私にそんな気持ちを向けてくれたのか分からない。
こんな私で本当に良いのか聞きたくて、呪文みたいに自分の悪い所を繰り返し言っていた。