第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
え、ヒントが姉ちゃんとか、何それ。
そう思ったけど、並べられたカードを見て、すぐに分かってしまった。
「クリームと、調理師だね。」
姉ちゃんの好物と、なりたかった職業。
ちょっとでも、姉ちゃんという人物を知っていたら当てられる。
思った通り、正解だったようで私達チームのタイルが置かれた。
次からの姉ちゃんの出番はしょぼいもので、1枚ずつ確実に取らせるヒントを出している。
ケージくんも、それに合わせたのか1枚ずつ取れる分かりやすいヒントをくれた。
それでも、たまにミスがあって何枚かのカードが削られている。
ゲームも終盤、お互いに残り3枚ずつの場面。
そこで、姉ちゃんの出したヒントは2枚を示したもので。
しかも、お父さんはそれを当てた。
今回の、こちらの手番で3枚取らなければ、負け。
だって、残り1枚なら確実に仕留めに来る。
そんな追い詰められた状態なのに、ケージくんは笑った。
「最後のヒント。…みつで、3枚。」
出されたヒントが、まさかの私。
自分の事は自分が一番分かっているだろう、的なやつ?
いや、無理だよ。
追い詰められて負ける事しか頭に浮かばず。
残っているカードを、ただ眺め続けていた。