第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
…だけど、お父さんは姉ちゃんとだけは組みたくないみたいだ。
「それなら、りらとみつが組めば良いだろう。」
違うチーム分けを提案してきた。
まぁ、気持ちは分かるけどね。
これは、ヒントの単語から、単語を探すゲーム。
言葉の裏を読むのが苦手な姉ちゃんが出来る訳がない。
「熊野さん、このゲーム経験者ですよね。俺ともやった事ありますし。見た所、彼女達は未経験。俺達が組んだら相手になりませんよ。
ゲームは、難易度が高い方が面白く無いですか?」
それでも、ケージくんも譲らず。
結局、チーム分けは…。
お父さん&姉ちゃん。
ケージくん&私、になってしまった。
組む相手が決まった所で、慣れた手付きでカードをテーブルに並べ始めるケージくん。
なんか、ディーラーみたいで格好良い。
いや、そんな事を考えている場合じゃないんだけどね。
なんで、東京に居る筈がないケージくんが、ここに居て。
更に、昨日の時点で、嫌われるような事をした私に平然と話し掛けて。
更に更に、チーム分けも私と組みたがった意味が分からない。
だって、ケージくんが一番姉ちゃんと意思の疎通が出来る。
ゲームのペア分けくらい、アキノリくんが嫌がる訳ないのも分かっている。
その状況で、私とのペアを譲らなかった訳を考え無ければならなかった。