第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
昨日、夜遅くに姉ちゃんからメールがあった。
今は関わりたくなかったけど、普段は向こうから連絡してくるなんて無いから、何かあったのかと思って文章に目を通す。
とある、ボードゲームカフェのアドレスと、一緒に行かないか、とのお誘いだった。
その、お店には覚えがあった。
ケージくんが、バイトしてた所だ。
私と出掛けたがるような人じゃないから、不審に思ったけど。
何かを企む知恵のある人じゃないし、きっと私の様子が変だったから気を遣って誘ってくれたのだと思う。
親の影響で、テーブルゲームの類いが私は大好きで。
気晴らしするなら、それが良いと判断したんだろうけど、実家でやってたら、お父さんに絡まれる。
姉ちゃんも、それは嫌だから外で遊べる所として、この店を出してきただけだ、きっと。
ケージくんの元バイト先って行っても、今はきとりちゃんの所に居る彼と会う筈はない。
姉ちゃんが、苦手と言っていた私の為に考えてやってくれた事。
無条件で見捨てない。
それを、ちゃんと表現してくれているから、無下には出来なくて。
ゲーム自体は、色々と持っているから、きとりちゃんの家でやればいい、とか思い浮かばなくて。
仕方ないから付き合ってあげる、なんて返事をしながら、寧ろ喜んでそのお店に来てしまった。