• テキストサイズ

【HQ】繋がる縁の円

第11章 裏で動いた恋模様


‐黒尾side‐

部屋の中に入ってすぐ、またみつのスマホが音を立てる。
相手は、やっぱ赤葦だった。

出ない事に決めてるようで、テーブルの上に放置されたスマホ。
一度切れても、数分毎に着信が入るから五月蝿くてマナーモードにした。

その内、切れてから数分待つ事もなく連続で着信するようになる。

オイオイ、赤葦よ。
コイツにまで、ストーカーしてどうすんだ。
執着すんのは、りらだけで勘弁してやってくれ。

スマホが震える度に、悪い方向を想像して辛そうにするみつを見てらんねぇよ。

「…出て、良いか?聞きたくねぇなら、俺が代わりに話すっから。」

俺だって、ぶっちゃけセンパイと何かあった報告なら聞きたくはない。
だが、想像だけで苦しんでるみつを見てたら、もういっそ答えを知っちまった方が楽だと思った。

もし、最悪の結果でも、今なら俺が傍に居る。
みつが求めるなら、どんな慰めだってしてやる。

そんな気持ちで、スマホを手に取ったが、その画面にはみつが触れて。

「…はい、みつです。」

スピーカーでの通話を始めた。

自分で話すと、示されたようなもんだったから、無駄に声を掛ける事はせずにスマホを手渡す。

『…お前、なんで電話出ないの?』

そこから聞こえた赤葦の声は、かなり低かった。
/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp