第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
テツローくんは、今日休みだったみたいで。
ご飯の後も、私の気晴らしのつもりなのか、ショッピングモールに連れていってくれた。
そこで、最近流行りの、デートなぅ的な写真も撮らせてくれた。
知り合いに見られたら、彼氏じゃないのがバレるから顔は撮してないし、ネットにアップするのはオッケーしてくれて。
遊びのつもりで、何枚もブログに上げていた。
楽しい時間は過ぎるのが早くて、気が付けば夕方。
テツローくんに送られて、ケージくんの家に帰る途中で、スマホが音を立てる。
着信のようだったから、相手を確認すると、ケージくんからだった。
「出なくて良いのか?」
「いい。」
「もし、センパイと付き合ったって報告だったら嫌、か?」
「うん。」
横を歩くテツローくんも着信の相手を見たようで、怖くて震え始めた手を握られた。
「デートなぅ、だろ?他の男の事なんか考えんな。」
繋いだ手は、指先を絡めて恋人繋ぎになる。
私を少しでも慰めようとしてくれてるのが分かって、振り払えなかった。
そのまま、ケージくんの家に着く。
玄関先でサヨーナラも淋しい。
「もうちょっと、一緒に居たいんだけど…ダメ?」
「んー?みつちゃんは、甘えたいのかな?ほーら、オニィチャンの胸に飛び込んでおいで。」
「ハグはいらない。」
「その冷たい言い方、りらソックリだな。…んじゃ、もうちょいお喋りでもするか。」
つい、口から出た要求に、からかうような声が返ったけど。
受け入れてはくれるようで、部屋に上がってくれた。