第11章 裏で動いた恋模様
‐赤葦side‐
ここに来た目的を果たし終えて、残り時間の意味の無さを感じる。
きとりさんは、当たり前だけど仕事に行ってしまっていて、暇な時間の使い方が分からない。
此処が東京なら、りらの情報集めだとかに精を出して、気を逸らす事が出来るのに。
この離島で、俺が出来る事は無く。
ただの暇潰しのつもりで、スマホに知り合い達の名前を呟いて、検索をしていた。
木兎さんの検索結果は、バレーボールの選手として本人が簡単に出てきて。
黒尾さんでは、出身大学と卒論が何故か出てきた。
月島だと、もんじゃ焼きの名店と、蛍の見れる名所。
りらは、検索結果無し。
ただ、近い言葉が表示されていて。
その中に、みつの名前があった。
別に彼女は有名人でも無いから、別人だろうと思ったけど。
開いた先にあったブログは、本人のものだった。
何で、彼女がこんなに有名なのか。
不思議で開いたページ。
内容は、殆どがテーブルゲームの事だった。
どうやら、彼女自身がサークルを作っていて、定期的に大会らしきものを開催している。
そうやって、集まりを開いては人と交流していて。
みつは、見た目が良いのもあって、一定のファンが付いているようだった。
この世界では、有名というやつらしい。
みつに、そこまで興味があった訳じゃない。
だけど、今現在は俺の家に居るだろう彼女が何をしているのかは気になった。
そのページを、お気に入り登録して、数時間毎にチェックする。
そして、更新があったと気付いたのは昼過ぎの事だった。