第11章 裏で動いた恋模様
‐黒尾side‐
一応、コレは俺の中でデートな訳で。
他の女とダブらせて見るなんて、最悪じゃね?
それなのに、みつは逆に嬉しそうだった。
「姉ちゃん、もう化け物だよね。砂糖ナシの生クリーム、ボウル一杯食べた事もあるんだよ?」
「マジか。」
「チーズも好きで、小さい頃から、あめ玉より、キャンディチーズとかチーカマ、チータラって感じでさ。」
「ツマミかよ。」
「だよね。昔から酒飲みになるって言われてたよ。」
「大酒飲みになってるな。あぁ、でも…それで納得したわ。」
「酒飲みになった事?」
「違ぇよ。…前にな、木葉がチーカマ持ち歩いてた。」
「何ソレ。姉ちゃんのエサじゃん。」
続いた話も、他の女…りらの事ばかりで。
微妙な気分になりはしたが、みつが楽しそうだからヨシとしよう。
そうやって、会話をしている内に運ばれてきたパンケーキ。
フォークを取るより先に、みつはスマホを取り出した。
角度を変えたりしながら、何枚も写真を撮ってる。
こういうミーハーなトコは、似ても似つかないんだけどな。
撮り終わっても、まだスマホをいじってるのは、多分写真をアップでもしてんだろう。
数分して、やっと作業が終わったようでスマホを置いた。
「イタダキマス。」
元気の良い挨拶が聞こえて、パンケーキを口に運び始めている。
一口食べる度に幸せそうな顔をするから、連れてきてやって良かったと思えた。