第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
テツローくんと、きとりちゃんは、なんだかんだ言って、両想いなんだな。
私がケージくんを唆したから、その想いが繋がらなくなってしまうかも知れない。
テツローくんの、イライラしたり、落ち込んだりしているのを見ていたら、悪い事をした気がした。
だからって、素直に謝る事は出来ず。
マウスを奪ってメール画面を閉じた。
「テツローくんったら、女々しいー。鍵付きの日記見て、勝手に怒る面倒な彼女みたい。」
分かりやすく挑発して、気を逸らそうと試みる。
「…本人にごちゃごちゃ言ってねぇだけ、そこらの面倒な女よりマシですぅー。」
「マシとか言ってる時点で、面倒な自覚あるんだ?それ、認めちゃうなんて珍しいねぇ。」
「うっせ。言葉の綾だっての。」
どうして私が、いきなり挑発しだしたかは分かったようで、始まった言い合い。
思い出せば、テツローくんとは出会った時からこんな感じで。
生意気な事を言っても、これが私達のコミュニケーションだから、許してくれると分かっている。
声を出しているからなのか、普段通りの会話を出来ているからなのか。
多分、どっちもなんだろうけど。
落ち込んでいた理由を、ケージくんときとりちゃんの事を、考えなくなって。
やっと、笑えた。