第10章 墓参りはプチ旅行
‐木葉side‐
りらと付き合って、すぐからヤる事はヤってる。
しかも、週一から二でスるから回数は多い方だ。
だが、りらは胸とか触らせてくれても、下だけは口どころか指ですら触らせてくれない。
俺は、何があったか知ってたから強引な手に出て、思い出して怖がられるのが嫌だった。
だから、りらのシたい形でいつも抱いてた。
でも、怖いからじゃなくて。
自分が汚いと責め続けた結果、俺に触らせるのが申し訳ないとか、そんな気持ちなら、止めて欲しい。
今、話をすり替えようとしてんのは、図星だったんだろうな。
「黒尾から、聞いた。りら、アイツ等の事も拒否った事あんだって?」
「…うん。」
「でも、今は触らせてるよな?俺が妬くくらい、ベタベタと。」
「ごめん。」
「それは、俺も嫌だが許すっつってるだろ?謝る部分が違ぇぞ。」
りらの話を完全に無視はせず、なんとか軌道修正する。
どうしても、謝りたくないのか黙っちまった。
どうしたら、安心して全てを俺に預けてくれるようになるんだろうか。
「…俺、りらが好き。だから、身体中にキスしたい。全部が自分のだって、実感してぇの。」
本心を伝える事で、少しは分かってくれると良いとは思ったが。
アルコールが入った状態で、こんな深刻っぽい話をしたもんだから。
情けねぇ事に、声が鼻声になってしまった。