第2章 初めて迎える朝
それでも、木葉さんの話は続いているようで、私をじっと見ている。
視線が怖くて下を向いた。
「だから、アイツ等とは今まで通り付き合っていいぞ。妬いてる時は機嫌悪ィだろうけど、な。
俺は、お前を変えた奴等を除け者にして、お前といたいんじゃねぇの。アイツ等と出会って、変わったお前を否定する事になるから。」
優しい声に釣られて、顔を見る。
木葉さんは、無理をしているようには見えない笑顔だった。
我慢する意思表示でも無かったのか。
私と皆の事を、理解してくれようとしているんだ。
「有難う御座います。」
それに応えるのは、やっぱり素直な言葉と自然な笑顔。
嬉しいと思う気持ちを、ちゃんと表に出したけど。
「…ソレ、機嫌悪い方の笑顔?」
木葉さんには、私の笑顔が作り笑顔か判別付かないようだ。
表情を凍り付かせている。
他の皆は、当たり前のように分かってくれていた事だからって、それをこの人にまで求めてはいけないらしい。
「いえ。機嫌は良いです。嬉しいので、笑いました。」
「…そっか。」
離れていた時間の方が長いから、表情の乏しい私相手に、言わずに分かれ、なんて難しいだろう。
それを補う為には、言葉を使うしかない。
それで安心してくれたようで、表情を元の笑顔に戻してくれた。