第10章 墓参りはプチ旅行
‐木葉side‐
りらが、自ら罪を被ったといえば、あのイジメ動画の事件だ。
夏頃の、色んな部活で大会がある妙なタイミングでの流出だったから誰かが狙ってやった可能性も考えてた。
その犯人は、りらを護ろうとしたんじゃないかとまで思ってたが、まさか当たりとは。
「…おーい。木葉ー?木葉クーン?」
頭の中が他の事にいって、状況が分からなくなっていた。
俺の意識を確認するように黒尾が手を振っている。
「なんだよ?」
「こっちが聞きたい事は終わったんだが?」
「だから、なんだって。」
「交換条件だろ。お前が何でりらに起きた出来事を知ってたか。」
あぁ、衝撃的な事を聞いたから忘れてた。
「…調理師免許、取る為の講習会で知り合ったオッサンが、りらの元勤め先の職人だったんだよ。
俺、見た目が職人っぽくねぇだろ?本当に調理師なのか疑われたから、店の名刺渡して。
…で、代わりに受け取った名刺の店の名前に覚えがあったから、アイツの名前出したんだ。」
気を取り直すように一呼吸置いて、話を始める。
それを知った瞬間の事を思い出すだけで、腹が立って手を握り締めた。
自分で分かるくらい、体が震えている。
「…うん、もう分かったから良いや。行こうか?コノハアキノリ。」
最後まで話しきった訳でもないのに、勝手に終了宣言して女は出ていった。