第10章 墓参りはプチ旅行
‐月島side‐
誤魔化せと言われていたケド。
木葉さんは、知っているってりらには教えてやった方がいいんじゃない?
だって、りらは口下手だけど。
話をすると、素直過ぎて余計な事まで言っちゃうカラ。
だからって、自分の判断だけでそれを言ったら、きとりさんが殴り掛かってきそうだし。
「殴り掛かるは余計よ。ツッキーも余計な言葉まで言うじゃない。」
「僕のは、わざとなんで。」
「相変わらず、性格悪いね。」
「それは、どうも。」
「褒めてない。」
思っていたまま、目の前に残った人に話すと睨むような視線が向く。
こんな、無駄なやり取りをいつまでもしている時間は無かった。
「…で、きとりさんとしては、わざわざりらの口で言わせたいですか?
僕としては余計な事まで言って、木葉さんが落ち込む面倒臭い展開しか思い浮かばないんで、止めたいですケド。」
本題に戻すように質問をすると、きとりさんは悩むような仕草をして。
「…いや、私達から言うのは止めよう。あの2人の事だから、流れに任せときゃ良いでしょ。
どうせ、別れないから。賭けようか?」
悪戯気に笑っていた。
確かに、先にりらの過去を知っていたなら木葉さん側が引いたり、別れたいと思ったり、する筈がない。
「勝負にならないんで、結構デス。」
端から、この話自体が無駄なものだと気付いて、会話を終わらせた。