第10章 墓参りはプチ旅行
‐黒尾side‐
コイツ等、俺達が居んの忘れてね?
イチャつかれると、目のやり場に困るんだが。
突っ込むのは、止めておくか。
りらは通常モードで、あぁ、とか言いながら離れるだろうが、木葉の方が恥じらう逆転カップルだからな。
それを、からかうのも面白いっちゃ面白い。
だが、月島が不機嫌全開で木葉を攻め落としそうだからな。
んで、木葉をイジられるとりらがキレる、と。
「…あらら、ツッキーってば不機嫌ネ。もしかして妬いちゃってんの?」
「…別に。」
2人は放っておいて、月島の気を逸らしてやろうと、からかいの言葉を掛ける。
冷たく否定して返してきたが、機嫌悪いの丸分かり。
「素直じゃねぇなぁ。」
「…本当に、妬いたりしてる訳じゃないんで。人前で、こんな事してる2人に呆れてるだけなんで。
…と、言うか。なんで戻ってきたんですか?黒尾さん、そんなにきとりさんに会いたいんですかぁ?」
更にからかい続けてやろうとすると、話を変えるように痛い台詞が飛んできたが。
「…ん?そりゃ、会いてぇよ?今でも、大切なヒトですからー。」
そんなもんに負ける訳も無く、笑って返してやった。
こんな会話をしている内に、話し声で俺達の存在を思い出したのか、あのバカップルは体を離している。
思ってた通り、りらは平然としてるが、木葉の方は気まずそうな顔をしていた。