第2章 初めて迎える朝
数分後、木葉さんが目覚めたようで、動く気配を感じる。
振り返ってみると、段々と顔を赤くしていく木葉さん。
「…熊野、刺激的スギ。朝からもう1回戦スる?」
成程、起きて最初の行動としては服を着るのが正しいのか。
いや、着ていない訳じゃないけど。
家の中だから楽な格好でいたくて、緩めのシャツ1枚で下を履かずに行動していたのは宜しくないらしい。
シたいなら、シても構わないけど、生憎と本日はバイトがあって、時間がない。
「すぐ終わって頂けるなら。」
「…いや、結構デス。」
こちらとしては妥協案を出したつもりだったけど、逆に木葉さんの方からお断りされた。
シないなら、まだ時間はあるし、片付けも済んだ所でキッチンに入る。
「朝ごはん、食べますか。」
「おぅ。」
「朝は軽めですか。重くて平気ですか。」
「軽めー…って。重くて平気なの、木兎くらいじゃね?」
「黒尾さんや、赤葦さんも平気でしたよ。」
「あー…。月島は見た目通り、食が細いんだな。」
カウンターを挟んでの会話の内容は、他の男性の事ばかりで。
お付き合いを始めたばかりの、恋人の会話がこんなもので良いのかすら分からないけど。
嫉妬はしていないようだったから、良いものなのだと思い込む事にした。