第8章 仲直りの仕方
これは、許してくれていると思って良いのだろうか。
聞いたら、呆れられてしまいそうだけど。
ちゃんと、言葉で聞かないと仲直り出来たか分からなくて。
安心出来ない。
「木葉さん。」
「…んー?」
「仲直り、してくれますか。木葉さんが怒っていた理由が分からなくて、勝手に一人だけ帰って。それで昨日の雰囲気を壊した事も含めて、許してくれますか。」
「お前、ソレ聞くか?」
勇気を出して聞いてみたは良いものの、予想通りの呆れ顔で返された。
でも、結局昨日の事については謝罪の言葉すら言っていないのに、許されて良いのか分からない。
「大体、許すか決めんの、俺じゃなくてお前だから。自信がねぇとか云々って言い訳して、お前等を信用出来なくて。不安になって勝手に機嫌悪くしたんだから。」
決定権は私にある、と託された。
多分、それを言われただけじゃ理解出来ない私に説明を加えてくれている。
それなら、私の答えは決まっていた。
腕を緩めて貰えるように手を叩く。
行動だけで伝わったようで、隙間の空いた腕から抜け出し、半回転して向き合った。
「木葉さん。お互いに、ごめんなさい、しましょう。」
これが、私の答え。
だって、自分も悪いと思える所があるのに、謝れないのは気持ちが悪い。
「木葉さんの嫉妬に気付かなくて、昨日は先に帰って、ごめんなさい。」
「…ん、俺も。お前等を信じきれなくて、機嫌悪くして悪かった。」
お互いに会釈程度に頭を下げて、これで仲直りとなった。