第8章 仲直りの仕方

聞いてくれる気はあるようだ。
何から、どう話せばいいのか分からないけど、思っている事をそのまま伝えよう。

「木葉さん。」

顔を見るように正面に座り直して口を開いた。

「かおるさん達に、聞かれました。木葉さんが他の女性と同じ事をしても、怒らないか、と…。」
「…うん。」
「私、怒らないです。」
「…ん。」

言葉を止める度に頷いて、ただ聞く事に徹してくれている。
目元に、また涙が溜まってきているのが気になるけど、それで言うのを止める訳にはいかない。

「木葉さんの事…。」

ここまで言った時、顔を逸らされた。
これ以上は聞いてくれないんだろうか。

「ちょっと…待って。ちょっとだけ、待ってくれたら、ちゃんと聞くからさ。」

制止の声が聞こえて、従うように口を閉じる。

見えている横顔が完全に泣いていて、どうすれば良いのか分からなかった。

「あー…もう。カッコ悪ィ…。」

数分しても止まらない涙を隠すように、顔を手で覆って呟いている。

「ゴメン。お前の顔、見たまんま聞く勇気ねぇから、このまんま話して。」

やっと続きを話していい許可が出た。