第8章 仲直りの仕方
‐木葉side‐
昨日の夜も、今朝も、熊野からの連絡はナシ。
俺と、別れたいのか。
仲直りする方法考えてんのか。
どっちか分からねえし。
こっちから、連絡して良いのかすら、分からない。
連絡がねぇくらいで、モヤモヤすんなら、追っ掛けて捕まえて、昨日の内に仲直りしときゃ良かった。
そんな事を後悔しながら、旅先から帰ってきたら…。
「やっほー。アキちゃん。」
家の前に、幼馴染みの女がいやがった。
しかも、こっちの機嫌が悪いのは女関連だとすぐに感付いて質問攻め。
適当にあしらっても効果ナシで、家ん中に入ってくるわ、勝手に冷蔵庫から酒とか出して人の話をツマミに飲み始めるわ、で散々な目にあった。
俺も飲まされたし、昨日はよく寝れなかったから、途中で落ちて、目が覚めたらこんな時間。
ウチに泊まって良い女は熊野だけだ。
夜中に女を放り出すのは気が引けたが、嫌なもんは嫌。
とっとと帰れと急かして、玄関まで見送る。
「おー。お休み。」
「…ね、アキちゃん。…彼女?」
「…は?」
ご丁寧に顔を見て挨拶なんかしてやるのすら面倒で、扉の外なんざ見てなかった。
すぐに去らない上に、気になる言葉が聞こえてそちらを見る。
最悪の、展開が待っていた。