第8章 仲直りの仕方
もう良いも何も、私自身にも原因があるのだから、偉そうに許してやるなんて言える立場じゃない。
2人が今の謝り方で、木兎さんを責めるのさえ止めてくれたらいい。
「仕方ないなー。りらちゃんが、木葉と仲直り出来たら許してあげよう。」
「まぁ、そうですね。俺としては、これで別れてくれても良いんですけど。」
「よくねーよ!俺とかおるちゃんまで別れてもいーのか?」
「…それは、困りますね。俺にグチグチ言われたら面倒なので。」
「あかーし、ヒドイ!」
目の前で繰り広げられるやり取りを見ていると、本当は怒ってすらいなかったのが分かって安心した。
「じゃ、そういう訳で、りらちゃんが、どうやったら木葉と仲直り出来るか考えようか。」
しかも、わざわざ理由をつけて、私達の仲直りを手助けしてくれるらしい。
1人で方法を考えても良案なんか思い浮かぶ訳もない私には、有難い事だ。
「そんなん、簡単だろ。ごめんっつって、仲直りえっちしちまえよ!木葉だって、りらちゃんと仲直りしたいに決まってんだから!」
木兎さんの案は、根本的な解決にはならない。
昨日の、木兎さん達をお祝いしている雰囲気を壊したのは悪いと思っている。
だけど、木葉さんの機嫌を損ねた理由はそれじゃない。
謝るなら、何が悪かったか理解していないと意味がない。
それが出来てないから、あんなにも冷たい態度を取り続けていたのだろうし、追い掛けてすらくれなかった。
いつもなら、私の分からない事とか、普通と違う悪い部分は教えてくれていたのに。
それすらしてくれない程、怒らせた理由が思い浮かばなかった。