第8章 仲直りの仕方
ふと、頭に感じる重み。
それが髪を荒らすように何往復かして、離れた。
何かを確かめようと顔を上げる。
木兎さんの手、だった。
「りらちゃん。謝る相手、違うだろ?」
「…はぁ。」
どうやら、撫でられたらしいのは分かる。
だけど、言葉の意味は分からない。
確かに、別の意味で本当に謝らなきゃならないのは木葉さんに対してなんだけど。
この人達にも、不愉快な思いをさせた訳だから相手を間違っている事はない。
「俺等、りらちゃんのコト怒ってねーもん。悪いトコねーのに、りらちゃんが謝んな。」
「木兎さん。昨日の雰囲気を壊した事が悪いとりらは判断したんですよ。」
「ソレ、りらちゃんのせーじゃねーだろ?」
「そーだねー。木兎の所為だねー。木葉の機嫌悪かったの。」
「うっ…!」
「じゃあ、木兎さんが謝って下さいね。りらにも、俺達にも。…勿論、木葉さんにも、ね。」
「…ぐっ!」
木兎さんが謝らないで良い理由を説明してくれたけど、その所為で2人から攻撃されている。
どうやら、私と木葉さんの関係が危うい原因は昨日の内にでも話されているようで。
「…だぁぁっ!俺が悪かったよっ!これで、もう良いだろっ!」
ほぼ、逆ギレしているかのような状態で謝罪を口にした。