第8章 仲直りの仕方
翌日、普通にお店を手伝う予定だったから顔を出したら、かおるさんに驚かれるし。
来店した木兎さんと赤葦さんには、何故か謝り倒されるし。
どちらかと言うと、雰囲気を壊した私の方が謝るべきである。
タイミングを見失って、ごめんなさい、が言えなくて。
自己嫌悪ばかりして、憂鬱だ。
そんな状態なのに、恒例の食事は相変わらず拒否権が無い。
乗り気じゃないまま、いつもの居酒屋に連れていかれて、飲み会が始まった。
「りらちゃん、昨日は放っておいて、本当にゴメンね。」
「自分から話に入ってくんのニガテだもんな。俺等が悪かった。」
「仲間外れにしたつもりは無かったんだけど、気分悪かったよね。ごめん。」
開始早々、3人からまた謝られる。
寧ろ、自分が悪いのに、こうなってしまうと返す言葉が分からない。
教えてくれる人は、今は傍に居ない。
「…こちらこそ、すみませんでした。楽しい雰囲気、壊して。」
何分も考えて、やっと出した言葉。
自分が悪いと思っているなら、謝らないと。
頭を下げてしまったから、皆の顔が見えない。
どんな表情をしているか分からないのは、怖かった。