第5章 出会い☆信玄・謙信
『あー!だーから お前そんなに線が細いんだな。』
納得!という感じで幸村が言う。
と、その時。
『!?謙信さま、信玄さま、そろそろ…。』
佐助がピクリ、と肩を揺らし小声で囁いた。
『会いたく無い輩が やって来たか。それじゃ、また会おう。美少年。』
艶やかな笑顔で信玄が その場を後にした。
謙信の姿は すでに無い。
び、美少年って…。
固まるあきらに、幸村と佐助が言葉をかける。
『あー、あの人の軽口は病気みたいなもんだから気にしなくていいぞ。じゃーな、もう崖に飛び込むなよ!』
『あきら…之丞、気を付けて。それから、また必ず君に会いに行くから、待ってて。』
『うん、2人とも どうもありがとう!』
あきらが答え終わるのと同時に、幸村と佐助も闇に消える。
どこからともなく馬の蹄の音が静かに響き、誰かが急いでこちらに向かっているらしい事をあきらに教えるのだった。