第34章 お見舞い?☆秀吉
ん?という顔で振り返り、秀吉があきらを見下ろす。
『ああ、もう慣れた。考えたら可愛い奴に可愛いって言うのは当たり前だろ?それに…。』
すっと かがんであきらの耳元で囁く。
『俺は大人、だからな。』
耳に秀吉の息がかかり、落ち着きかけていたあきらの顔から、ボッ!と火が出る。
子供のお前は黙ってろ、とでも言われた気がした。
いつも余裕たっぷりで、焦ってる姿の方が珍しいんだっけ。
真っ赤になったあきらを見て、また秀吉が大笑いする。
『すまん、すまん、からかい過ぎた。』
そう言うと、また前を向き歩き始める。握った手は離さない。
広間の前まで来ると、丁度 政宗が朝餉の膳を運んでいるのに出くわす。
政宗は、秀吉の後ろに隠れるように歩くあきらを チラッと見やり、
『なんだ?秀吉、ゆでダコでも仕入れて来たのか?
もう朝餉の準備は終わっちまったが?』
と、可笑しそうに言うのだった。