第4章 出会い☆幸村・佐助
『ところで、君の名前を知らないんだった。』
飄々とした顔で佐助があきらに尋ねる。
『は?知り合いのくせに名前知らねぇのかよ。』
幸村の問いかけに戸惑いながらも、
『あ、あきら之丞です。』
と答える。
一瞬、「ん?」という顔をした佐助が、納得したように呟いた。
『なるほど。理解した。』
佐助は 全て悟ったとでも言うように短く頷く。
『俺の事は佐助って呼んで。』
『え、でも呼び捨ては ちょっと…。佐助くんで いいかな?』
困ったようにあきらが答えると、こくり、と佐助が頷く、
『俺は 君とか さんとかつけられんの苦手だから幸村でいいぜ』
『わ、解ったよ。じゃ、幸村…?』
おぅ、と幸村が満足そうに返事を返す。
その時、暗闇の向こうから2つの足音が近づいて来ていた。