第29章 お見舞い☆佐助
『前に言ってたように、俺たちも既に出陣の準備が整いつつある。顕如が予想以上に早く打って出たから、三つ巴の戦いっていう最悪の事態は免れたけど…。
また激しい戦いになると思うんだ。
あきらさんはとにかく早く体を治して。
まだ暫くは信玄さま達も安土にいるから、会いに来てくれたら みんなも喜ぶと思う。』
そう言うと、あきらの手に佐助が自分の手を重ねた。
『あきらさん、必ず生きて現代に帰ろう。現代に帰ったら伝えたいことがあるんだ。』
熱い目で見つめられ、あきらの胸がドキッと鳴った。
『!!…そろそろ おいとまするよ。それじゃ これにてドロン。』
再び音もなく、佐助が天井裏に消えていった。
天井裏を見つめ、お見舞いの品を何処に隠そうか?と考えているあきらだった。