• テキストサイズ

イケメン戦国/偽りの君

第27章 顕如 討伐作戦☆光秀・政宗


… … …時は戻り、信長一行が囮作戦へと出掛けて暫く経った頃。

安土城の中では、心底 不服そうな顔の政宗と、薄ら笑いを浮かべる光秀の姿があった。

『くっそう!戦が始まるってのに、なんで俺が城の中で だらだら過ごしてなきゃならねぇんだ。』

政宗が ぼやく。

『ふっ、そう腐るな政宗。お館様の命なのだから仕方あるまい。暫くは暇だろう、俺は自室に戻る。
お前もたまには のんびり過ごしたらどうだ?刀を振り回すばかりが武将の勤めではあるまい。』

光秀の言葉に政宗が目を細めて言う。

『光秀、貴様よくこの状況でそんな事が言えるな。いくら腕が立つ家臣達も一緒だとはいえ、囮として出掛けたお館様ご一行は、ほんの十数名。
顕如の軍勢に囲まれたら無事ではいられないかもしれん。…この俺がついていたら別だが。』

そうさ。俺なら多数が相手でも斬り伏せる自信がある。
顕如など一太刀で晒し首だ。

『…だから、ではないのか?お館様は顕如を生かして捕らえるおつもりらしい。
お前では あっという間に粉微塵にしそうだからな。』

くっくっくっ、と光秀が笑う。

『何を考えていらっしゃるのか解らん。あんな奴、生かしておいて何の得がある!
生きている限り、信長様を殺そうとするに違いねぇ。』

納得がいかない顔の政宗に、

『お館様とて、そんなことは百も承知のはず。案ずるな。
あの方は志半ばで力尽きるような方ではない。
…何かあれば声をかけてくれ。ではな。』

光秀はそう言うと、さっさと部屋を出て行ってしまった。

ったく、何考えてるか解らないのは貴様も同じだ、光秀!
ついでに言うと俺が心配なのは信長様じゃねえ。
一緒に連れてかれたあきら之丞の方だ。

三成は ああ見えて剣の腕が立つ。だけど、あいつは…。
まともに刀も握れねぇじゃねぇか。

噂じゃ顕如の手下どもは、あちこちで織田軍傘下の大名家を襲い、人殺しだの金品強奪だの汚い事をやってるらしい。
あくまで噂だが、だからこそ安心出来ない。
何事も無ければいいが…。



自室に戻った光秀も、思案顔で佇んでいる。
そろそろ九兵衛が戻ってくる頃だが。

『光秀さま、ただいま戻りました。』

と、襖の外から声がした。
光秀は念の為、斥候に信長達の後をつけさせていたのだ。
心なしか九兵衛の表情が硬い。

/ 151ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp